入れ歯は患者の評価がすべて

総入れ歯は、治療の良し悪しを患者さんが評価する治療です。歯科医がどんなにいい治療だといっても、それを実際にお使いになる患者さんにとって、具合が悪ければ合格点はもらえません。総入れ歯に関しては、患者さんの評判が治療の質をそのまま表わしている、といっていいでしょう。具合の悪い入れ歯は、あごの骨をやせさせるような害の少ない入れ歯です。

保険では『かめる入れ歯』は作れないのか?

保険では、かめる入れ歯が作ってもらえない、という不満をよく耳にします。入れ歯をつくっては、合わないものだから、すぐ引き出しにしまって、6か月ごとに新しい入れ歯を作り直している患者さんも珍しくはありません(保険のルールで、入れ歯新調後は6カ月間は新しく入れ歯がつくれません)。入れ歯の下にクッション(入れ歯安定剤)を使うことも当たり前のように行われています。これはあまり良いことではないのですが・・・・・。

総入れ歯のキーポイント

では、保険では『かめる入れ歯』は作れないのかというと、そんなことはありません。入れ歯が安定しないとき、それは普通、下の入れ歯ですが、あごの土手に高さと幅があれば、まずまずかめる入れ歯がつくれます。
総入れ歯のキーポイントは、まず第一に入れ歯のかみ合わせ、あごの位置、そしてあごの粘膜と入れ歯の吸着です。保険の総入れ歯には、使える材料に制限がありますが、これはとくに困ったことではありません。保険の総入れ歯の問題は、歯科医の報酬が極端に低いために、患者さんの体にぴったり合ったオーダーメードをつくれない、という問題です。
うまいへたが患者さんによくわかるということと、じょうずな入れ歯に見合う報酬が無いという二つの問題のために、「保険の入れ歯はかめない」という不満が出てきているのです。

入れ歯

かみ合わせと適合性がぴったり合えば具合のいい入れ歯になります。