診療中、よく患者さんから保険診療と自由診療はどう違うのか、保険と自費でどうしてこうも値段が違うのかといった質問をよく受けます。このページではそれについて説明しましょう。

保険治療とは

まず、保険治療(以下、保険)とは、国民が所得に応じた保険料を払い、病気になったときに少ない負担金を払って治療を受ける医療システムです。国のシステムですから、全国一律料金です。治療の結果は考慮されず、やったということに対して医師側に報酬が支払われます。つまり、医療の質そのものよりも、やったというだけで額が決まっています。へたに治療しても、じょうずに治療しても同じ額が医療側に支払われます。大学出たての先生と、修練を積んだベテランの先生がやっても同一料金なのです。この治療の質が全く評価されないシステムは、最低限度の医療を給付するという点では、意味があるが、歯科医療にマッチしているかというと問題があると思われます。

現在の歯科保険制度の大きな問題点

現在の歯科保険制度の大きな問題点は、歯科医療の進歩とともに多種多様な治療法が開発されてきましたが、ほとんど保険制度に組み込まれていません。多くの国民はその恩恵にあずかっていません。ほとんどが100年前のアメリカ・ボルチモア歯科学校時代の技術です。そんな化石みたいな技術で保険診療は行われています。また歯科医療費もきわめて安すぎます。先進国の中で対GDPの医療費の割合が極めて安いのは日本だけです。国は、過去20年にわたって医療費を削ってきました。結論から言うと、日本の医療はとっくに崩壊しているのです。歯科に限っても、きわめて質が悪いのです。お口の中全体を考えた治療などありえませんし、つぎはぎのような治療になっています。また、再治療がやたら多いのも特徴です。使っている金属は国が指定しているやたら生体親和性の悪い合金です。(金属アレルギーの原因となるパラジウムを多く含む金銀パラジウム合金など)

自由診療とは

自由診療とは、保険の規則に縛られないで、充分な時間と、よい材料を用い、患者さんに対してもっとも適切である技術を用い施術する方法です。歯科は、手作りの作業です。ハンドメイドなので充分な時間をかけなければいいものはできないのです。