親知らずのトラブル

「親知らずが虫歯になって泣きたいほど痛い」「親知らずを抜いたら、口が開きにくくなるほど頬が腫れてしまった・・・」そんな時どうすればいいでしょう

親知らずの最大の問題は、ほかの歯に比べて生え方が異常なことが多く(横に倒れていたり、骨の中に埋没したりと)、しかも口の中の一番奥に生えているため汚れが残りやすく、歯ブラシもしにくいことです。このようなことから、虫歯や歯の周りの炎症(智歯周囲炎)の原因となる細菌の温床になり腫れや痛みなどのトラブルが起きやすくなるのです。まれには、首のほうにまで炎症が波及して呼吸困難を起こし入院となる場合もあるのです。

親知らずを原因とする智歯周囲炎は、炎症の程度が強いのが特徴です。このため、痛みがひどく、ほっぺたまで腫れ、口が開きにくいと言って重い症状を引き起こします。こうした症状を引き起こす炎症そのものは、抗生物質の投与や消炎処置によって一時的には治まります。しかし、炎症の原因となる親知らずが存在する限り、再発を繰り返すことになります。智歯周囲炎による重い症状の再発を防ぐためにも、親知らずの治療の第一選択は抜歯ということになります。

親知らずの形や生え方と治療の難易度

・親知らずが大きいほど抜歯しにくく、体への負担も大きい
・親知らずの根の形が複雑になるほど抜歯しにくく、体への負担も大きい
・親知らずの根が深いほど抜歯しにくく、体への負担も大きい
・親知らずが横向きに生えていたり、根が真横になっていると抜歯しにくく、体への負担も大きい

親知らずは簡単に、短時間で抜歯できるほど、体への負担が軽く、治療後の痛みや腫れも軽くなります。逆に抜歯が難しく、治療に時間がかかるほどそれだけ体への負担が重く、炎症が強くなって治療後の痛みや腫れも大きくなります。強い症状があるときには、抗生物質を決められた量服用し、バランスのよい食事と休養をとるようにします。通常は、3~4日で腫れは引いてきます。