PMTCとは何でしょう?
歯のクリーニングのことです。歯科領域の2大疾患は、『虫歯』と『歯周病』です。その原因は、歯垢という細菌の塊にあります。歯垢という細菌の塊がなければ病気は発症しません。
つまり『虫歯』も『歯周病』も細菌感染なわけです。この歯垢をとることをプラークコントロールと言います。
なぜコントロールかといいますと細菌には善玉と悪玉がいまして、たちの悪い悪玉菌を減らすようコントロールするのがそもそもプラークコントロールなわけなんです。日常的な例ですと、よくお母さんが『ぬか床』を一日一回かきまわしますよね。そうして酸素をぬかに含ませることでぬか床の悪い菌を死滅させて腐らないようにします。これも立派なプラークコントロールもどきですね。
悪い菌は酸素が嫌いですから(嫌気性菌)、酸素にあたると死ぬんです。歯科で言うプラークコントロールは、毎日のブラッシングが重要で日々ご自分で行うセルフケアーです。セルフケアーですべての歯垢がとりきれてきれいになるのが理想ですが、実際はなかなかうまくはいきません。
そこで、セルフケアーで十分にプラークコントロールできない部分をサポートするのがPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)です。
PMTCは、十分トレーニングを受けた歯科衛生士が、歯の表面に就いた歯垢や歯石、沈着物を専用の機械を使って完全に取り去った後に、歯垢の再付着を防ぎ、歯の質を強くするためにフッ素を塗布する行為を言います。虫歯・歯周病の予防管理を目的として北欧のスウェーデンでシステム化され、現在多くの国で行われています。当院の臨床結果からも、虫歯の抑制効果および歯周病の進行抑制効果があると言えます。
●PMTCのより得られる効果
①歯周疾患の改善・進行防止
ご自身では磨きにくい部位のプラークを完全に除去することにより歯肉の状態を健康にします。
②虫歯の予防
歯ブラシだけでは落とすことのできない歯垢(バイオフィルム)を破壊し、フッ素塗布でプラークの再付着を防ぎ虫歯の進行や発生を抑制します。
③歯質の強化
歯垢を取りきった歯の表面に直接フッ化物入りペーストを塗布することで歯の石灰化を促進することができます。
④審美性の向上
タバコのヤニ、コーヒー、お茶などの着色(ステイン)を除去し、光沢のある歯の表面を回復することができます。
PMTCは歯や歯肉のクリーニング専門の器具を使って慎重かつ丁寧に行いますから、痛みを伴わず、とても気持ちがよく、うとうとした気持ちになります。その結果として、歯科医院は、痛い怖いところではなく、お口の中がさっぱりし、気持ちのいいところであると実感していただけます。定期的に来院いただくことで、お口の健康に対するモチベーション(予防やケアーが大切であること)に維持、向上につながるのです。
現在、PMTCは、健康保険で受けることができます。初診でも負担金は、3000円前後です。(1割負担の方は1000円前後)
横浜旭区二俣川のかさい歯科クリニックでは、歯のクリーニングに力を入れ、専門の歯科衛生士を配置しています。ぜひ、お受けになることをおすすめします。▲このページのTOPへ
深い歯周ポケットのある人のメンテナンス
歯周病になると、歯と歯肉の間に深い溝ができます。これを歯周ポケット(PeriodontalPocket)といいます。この溝の奥からうみが出てきたり、プラークがたまって口臭のもとになります。
歯周病の治療をしても深い溝(歯周ポケット)は残ります。この溝がある限り、歯周病は治りませんので(といいますのも歯ブラシ自体が届かないので)、手術をして歯肉を切り取らなければなりません。
歯周病治療の目的は、このポケットをなくすことなんですが、患者さん皆さんが、手術に同意してくれるわけではないので、現実的には深いポケットを残したまま管理していくことも多いのです。
このような管理では、定期的な管理がとても大切です。深い歯肉の溝があっても、プラークコントロールが出来ていれば進行は防げます。ただ、うっかり注意を怠るとすぐに再発進行します。深い歯周ポケットのメンテナンスには、とくに熟練が必要です。
歯科衛生士は専用器具を用いて、歯ぐきの中の隠れたポケットの中を手さぐりできれいにしてくれます。歯根の表面は、口の中の見えている部分(エナメル質)とちがって、表面がザラザラしていますからその表面に歯石が入り込み、そこに細菌の塊であるバイオフィルムが定着しています。それを取り除くのがポケット・メンテナンスの最も重要な作業です。定期管理をしっかりしていれば、通常、深いところに歯石がついてしまうことはありません。歯ぐきの隠れた場所のバイオフィルムも器具ですくうだけできれいになるので、痛みや不快感はほとんどありません。