口臭の原因は?

口臭の原因はほとんど口の中にあります。舌の上に白くこびりついているのを舌苔(ぜったい)と言います。口の粘膜が皮膚の垢(あか)と同じように剥がれ落ちて、舌に白く溜まり腐敗したものです。この舌苔は、最大の口臭の原因です。食事を歯できちんと咬まないと口臭の原因になります。食べ物は歯を汚す一方で、かむことで歯をきれいにします。

口臭の主な匂い成分は、揮発性硫黄化合物(硫化水素やメチルメルカプタン)です。歯周病の細菌は、硫化水素より悪臭の強いメチルメルカプタンを大量に発生させます。ですから、歯周病は強烈な口臭があり、周囲の人から嫌がられます。予防しないといけません。

一方、ニンニクなどの食物を食べると、アリル化合物、セレニウム化合物などのガスが肺から排出され、口臭の原因になります。同様に、肝臓病などでも、臭い物質が肺から出てくることもあります。健康な人でも、肺から出てくるガスは100種類以上ありますが、非常に低濃度なので、口臭の原因にはなりません。よく胃が悪いと口臭が出ると言いますが、ほとんど誤解です。

時々、逆流性食道炎などの消化器疾患で口臭がでることがあります。また、扁桃腺炎があると、まれに口臭の原因になることがあります。ただ、扁桃腺炎があれば必ず口臭がでるとは限りません。十分な検査を耳鼻科で受けてください。

口臭の原因となる主な病気
1.歯周病
初期においては、痛みも泣く自覚症状がありません。ほっておくと静かに進行する病気です。一見なんでもないようでも、歯ブラシをした時に出血があることがよくあります。病気が進行すると歯ぐきからの出血に膿(うみ)が混じってくるようになり口臭もひどくなってきます。
2.虫歯
虫歯は独特のにおいを発します。虫歯に歯垢(プラーク)が付着してくると、表面がざらざらになるためなかなかきれいに取れません。食べかすや虫歯菌が、虫歯の穴にたまり臭いがきつくなり、それが口臭の原因になります。小さな虫歯では口臭が強くなることはありませんが、虫歯が進行すると次第に高周波強くなってきます。神経まで侵され、神経が腐敗すると、強烈な口臭になります。
3.歯垢(プラーク)
歯の表面に付着する歯垢(プラーク)は細菌のかたまりです。食べ物の残りかすを栄養源とする微生物とその代謝産物からなります。その代謝産物が臭いのもとになります。歯垢は、時間がたつにつれ歯石となります。歯垢は、虫歯や歯周病の原因になるのです。
4.歯石
歯垢が固く固まった石灰分です。歯石がたくさんつくと口臭もひどくなってきます。また、歯石がつくことにより歯周病が進行します。
5.舌苔(ぜったい)
体調がよくないときに、舌の表面に白っぽいものが付着することがあります。これを舌苔と呼びます。歯垢と同じような細菌のかたまりです。これも口臭の原因です。舌をきれいにクリーニングすると口臭も軽減します。
6.唾液の減少
唾液は口臭予防に重要な働きをしています。ある種の薬剤の服用や病気、高齢などで唾液の分泌が少なくなり、口の中が不潔になるので虫歯や歯周病になったり、口の中が乾燥して口臭が強くなります。
7.入れ歯
義歯(入れ歯)のプラスチックの部分は色やにおいを吸着しますので口臭の原因になります。毎日きれいに清掃し、消毒剤に浸しておくことをお勧めします。一度吸着した色や臭いはなかなか取れません。
8.不良な冠(クラウン、ブリッジ)、かぶせた金属の腐食
歯にかぶせた金属冠が古くなって穴が開いたり、すきまができたりすると汚れ(歯垢)がたまりやすくなって口臭の原因になります。また、歯にかぶせた金属の材質が体質に合わない場合口腔内が不潔になりやすいです(金属アレルギー)。意外と口臭の原因になっているものです。
9.口腔がん
口腔がん(舌がん、頬粘膜がん)などにより口臭が発生することがあります。
10.鼻やのどの病気
鼻は口とつながっているため、副鼻腔炎(蓄膿症)や咽頭炎、喉頭炎などの炎症があると、膿が口の中に出てきて、口臭が起こります。
11.その他呼吸器系の病気、消火器系の病気
糖尿病などの病気は独特の口臭を発する場合があります。

治療
原因が口の中にあるものは、虫歯、歯周病などの検査をして原因を確定診断できれば、その原因を除去するような処置を行います。歯医者さんで検査してもらうことをお勧めします。
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