歯が痛いときは我慢せず、早めに歯科を受診しましょう。歯科医は、すぐに痛みを取ってくれます。痛みは全身のストレスにもなり、睡眠不足にもなります。

歯の痛みの原因は、象牙質の痛み、歯髄の痛み、根尖性歯周炎(根の炎症)の痛み、辺縁性歯周炎(歯周病)の痛み、食片圧入の痛み、智歯周囲炎(親知らずの炎症)の痛み、歯槽粘膜の痛み、非歯原生歯痛(歯が原因でない歯の痛み)があります。

①象牙質の痛み

象牙質の痛みは食事や飲み物などの熱刺激、甘いものや酸っぱいものの刺激、物が虫歯にはさまるといった刺激で生じます。もっとも頻繁に認められるのは象牙質の虫歯ですが、これは診て確認し、レントゲン診査をして診断します。治療は、虫歯を除去し、代わりの物をつめることで治療します。

②歯髄(神経)の痛み

歯の痛みの中で、もっとも強烈なものは歯髄の痛みです。その原因としては、虫歯が歯髄(神経)まで及んだ場合や、歯の破折があります。歯髄の病気に伴う痛みは、ズキズキする強い痛みです。痛みは耳、頭、ほほなどにも広がります。治療は、麻酔をして歯髄を除去します。歯髄の痛みは歯髄除去後ただちに消失します。

③根尖性歯周炎の痛み

根尖性歯周炎とは、根っこが感染により炎症を起こしている病態です。問題のある歯は、軽くたたくことによって容易に判定できます。さらに、その歯の付け根の粘膜を押すと痛みを感じます。治療は、感染根管治療を行います。腫れている場合は、抗生剤の投与も行います。腫れて内圧が高まって痛みが生じている場合は、切開して膿を出すことは大変有効です。

④辺縁性歯周炎の痛み

辺縁性歯周炎の痛みは急性の根尖性歯周炎の痛みと非常に似ています。痛みは持続的であり、咬合接触で痛みは強くなります。深い歯周ポケットが歯の周りに存在し、歯周ポケットの診査が必要です。歯周ポケットから排膿があると、内圧が下がって痛みは軽減します。治療は、洗浄と歯周ポケットの掻爬が行われます。かみ合わせの調整で反対側の歯との接触を除去します。痛みは、治療後24時間以内には治まります。

⑤非歯原性疼痛(歯が原因でない歯の痛み)

咀嚼筋の痛みによる歯痛や三叉神経痛からくる歯の痛みです。

歯が痛いと食事もおいしくありません。人生の大きな損失です。