金属アレルギーでインプラントは大丈夫?

金属アレルギーのある方は、インプラントをしてみたいという気持ちがあっても、心配でなかなか踏み切れないという声をよく耳にします。今回は、金属アレルギーとインプラントについて考えていきます。
金属アレルギーは、すべての金属に対して起こるわけではありません。ニッケル、クロム、銀、パラジウムなどが金属アレルギーを起こしやすいのです。歯科治療などで金属を使用した場合に、唾液などに金属が微量に溶け、イオンになります。この金属イオンが体内に入り、アレルギーのもとが作られます。そうすると、同じ金属に触れると、感作して拒絶反応で皮膚などに炎症を起こします。これが、金属アレルギーなのです。
インプラントに使われている金属は、純度99.9パーセント以上のチタンです。チタンは空気と触れ合うと、表面が酸化チタンになり、その膜ができるため金属イオンが溶出しません。そのため、インプラントは金属アレルギーを引き起こしにくいと言えるのです。
インプラントの埋め込まれた部分だけではなく、インプラントの上にかぶせる冠や土台にアレルギーを起こす金属が使われているケースが考えられますが、これにも、ジルコニアやオールセラミックなどの金属アレルギーの心配のない素材のものを使うべきなのは言うまでもありませんね。ぜひそのような安全な素材で作るよう主治医の先生にお願いしてみましょう。