この症状は夜間低血糖かも 歯周病の原因

以前、歯ぎしりが虫歯や歯周病の大きな原因ということを書きましたが、夜間の睡眠中の歯軋り、食いしばりは「夜間低血糖」の可能性があるのです。夜間低血糖では、このような症状があります。
○歯ぎしり、寝汗や悪い夢を見るため、睡眠が浅い
○寝る前に何か食べないと眠れない
○午後3時ころになるとだるさ、眠気、集中力が低下する
○朝起きたとき、あごの筋肉が痛かったり、頭痛、肩こり、疲労感がある
○いらいらしたり、不安になったりと感情の起伏が激しい

午後3時から4時ごろは1日の中で血糖値が最も低くなります。糖尿病などの血糖値調節障害がある人は、この時間帯に症状が出やすいです。上の項目に該当する人は、夜間に限らず日中も血糖値の乱高下が起こっている可能性が大きいです。
2011年の欧州糖尿病学会での1086人を対象にした調査では、夜間低血糖が睡眠の質を低下させて、翌日の体調も悪化させるとの報告がありました。睡眠障害のみならず、パニック障害やうつ病、体調不良などもこの血糖値の乱高下が関与していることも示唆されています。
■なぜ低血糖になると歯ぎしりや寝汗、悪夢が起きる?
糖質(炭水化物)の過剰な食事をしたため、インスリンが過剰に分泌され、血糖値をさげる

過剰なインスリンは血中に余分に残存しているため、血糖値を必要以上に下げ続け、就寝中に低血糖になる

体が反応して、就寝中にアドレナリンやコルチゾールなどのホルモンが一斉に分泌される

すると自律神経の交感神経が興奮する

その結果、歯ぎしり・食いしばり、寝汗、悪夢などが起きる

歯科的な症状では、歯周病の悪化(歯周ポケットが深くなる)、歯がしみる、歯に亀裂が入って虫歯が発生する、顎関節症の症状が出る
糖尿病の人が歯周病が悪化しやすい原因のひとつも夜間低血糖であると、私は考えています。それは、インスリン注射や糖尿病の内服薬も不自然に血糖値を下げすぎるからです。
このように、血糖値の乱高下は、体に害になります。
これを予防するのは「糖質制限」です。わたしは、10年間糖質制限と「1日1食」を実行していますが絶好調です(笑)。以上の話からは、歯ブラシをしっかりすることは重要ですが、それだけで歯周病や虫歯を完全防止できるものではありません。歯周病や虫歯の予防は夜間の血糖値をコントロールする食事療法も必要なのです。