歯はどうして痛くなるのでしょう?

歯痛

歯の痛みの原因はなんでしょう

歯の痛みは、主に虫歯と歯周病です。しかし、それ以外の原因もあります。

歯が原因の歯の痛み(虫歯が原因)

歯科治療において一般的に取り扱う痛みのほとんどは、ほとんど歯が原因です。歯の痛みの発生場所を分類すると、「象牙質」「歯髄(しずい):神経のこと」「歯根膜」「歯肉」「歯槽粘膜」の痛みなどとなります。

(1)歯の痛み

●象牙質の痛み

象牙質とは歯の表層のエナメル質の内側にある組織です。何らかの原因でエナメル質が欠けて象牙質が露出すると痛みを感じます。象牙質の痛みは、外からの刺激によって生じる2-3秒以内の鋭い痛みです。

外からの刺激とは、食事や飲み物による熱刺激や甘い、すっぱいと言った科学的刺激、あるいは歯ブラシなどの機械的刺激などがあります。もっとも頻繁に認められるのは象牙質に達する虫歯です。

象牙質の虫歯によって痛みが出ている場合は、虫歯の部分を除去し、そこに詰め物をすることによって治療します。歯と歯ぐきの境目にある歯根の象牙質が露出して痛みがある場合は、対処法が多種多様です。

●歯髄(歯の神経)の痛み

歯の痛みの中で最も強烈なものは歯髄の痛みです。歯髄の痛みは、ズキズキする大変強い痛みが特徴です。そして、冷たいもの、熱いものなどを口に含んだときの温度変化や甘いもの、虫歯の部位への加圧によって増悪します。一旦、痛みが出ると数十分間は持続します。痛みは、耳、頭、頬などに広がっていきます。痛みが激しいと睡眠不足にもなります。治療は、局所麻酔下にて歯髄を除去(いわゆる神経の治療)をします。除去した場合は、その後の根管治療に続きます。

(2)歯の周り(歯周組織)の痛み

歯の周りの痛みは、細菌の感染による歯肉、歯根膜、歯槽骨の急な炎症の過程で生じます。

●根尖性歯周炎(歯の根の先端の炎症)の痛み

痛みは、中等度から強度であり、持続性の痛みです。歯をかみ合わせると痛みは悪化し、より進行した場合、その歯に触れただけで強い痛みを感じます。

痛みが根尖性歯周炎からきている場合、治療の初期の目的は、感染の原因を除去することです。すなわち根管治療になります。もし、腫れや発熱がある場合は、抗生剤を投与します。根尖周囲の歯ぐきに腫れがあって膿をためているときは切開して膿を出すことは大変有効です。痛みは通常1-2日で軽減されます。

●辺縁性歯周炎

辺縁性歯周炎の痛みは、根尖性歯周炎の痛みと大変似ています。痛みは持続的であり、痛みは持続的であり、かみ合わせると痛みは強くなります。歯肉が腫れて赤みを帯びています。歯は揺れている場合もあります。治療は、洗浄と歯周ポケットのキュレッタージを行います。かみ合わせを調整して、接触を弱くし、安静にします。併せて、抗菌剤を投与します。痛みは、通常24時間以内に軽減されます。